全社的な取り組みとして、事業部の異なる5人チームを編成し、月1回の事業部横断ミーティングを定期実施する制度が設けられていた。商談や面談を主業務とするメンバーが多く、カレンダーの空きを目視で確認しながら日程を調整する作業に「手間がかかる」という声が上がっていた。1チームあたりの作業時間は5分程度だが、チーム数は50。毎月、全体で4時間以上が日程調整だけに費やされていた。
5分×50チーム。誰も「問題」と呼ばなかった作業が、毎月4時間を消費していた。
5分の作業を、わざわざシステムにするほどのことではないと、誰もが思っていた。
1回あたり5分という感覚から、誰も仕組みで解決しようとしなかった。「カレンダーを見て候補を出すのは当たり前の作業」として受け入れられており、50チームに積み上がったコストを全体として把握している人間がいなかった。