immedioは、資料を送った見込み客が「何分閲覧したか」「何ページまで読んだか」を把握できるサービスだ。インサイドセールスがその情報を見て架電すれば、見込みの高い顧客に絞ったアプローチができるはずだった。ところが、immedioからエクスポートできる顧客データはメールアドレスのみ。架電するには、メールアドレスをコピーしてSalesforceに貼り付けて検索し、会社名・氏名・電話番号を確認してから、ようやく電話をかけられる。閲覧データという精度の高い情報を持ちながら、電話一本かけるまでに余計な工程がいくつも挟まる構造だった。その手間が積み重なり、ツールはほとんど使われなくなっていた。
インサイドセールスのメンバーも、マネージャーも、事業部長も、誰もこの問題を仕組みとして捉えなかった。「メールアドレスがあればSalesforceで検索できる。検索して電話をしろ。せっかくあるんだから活用しろ」——そう言うだけだった。工程の多さが活用を妨げているという認識はなく、活用しないのは個人の意識の問題だと結論づけられていた。