会社は生産性の低い社員に対しても、
毎月一定の給与を支払うリスクを追っています。
税金、設備投資、社員の目に見えないコスト、
数えはじめたら3倍にも4倍にも膨れ上がる。
よく『給料の3倍働け』と言われますが、
この言葉を“社員が”どう受け止めているか?
考えてみたことはありますでしょうか?
その意味を教わっていない社員は、
多くの場合、
「自分の給料だけじゃなく、
会社を儲けさせろってことね」
と思っています。(たとえ直接口には出さなくても…)
もちろん、間違いではありませんが、
経営者の立場からすれば少し違いますよね?
「いやいや、利益とかの前に、
君の給料の3倍は費用が掛かるんだよ。
だから、3倍は最低限の基準だよ」
この少しのニュアンスの違い。認識の違い。
これが会社にとっては致命的なリスクになります。
社員が自分の働きを過大評価してしまうからです。
「おれは自分の給料分以上稼いでいる。
成果を上げて会社に儲けをもたらしている」
そして、次にはこんな考えに発展します。
「こんなに頑張っているのに、こんなに成果を出しているのに、
評価してもらえない…」
会社がしっかり社員に還元していたとしても、
社員の認識がずれているために、
常にマイナスに振れてしまうのです。
この微妙な認識のずれを放っておくと、
・モチベーション低下
・突然の転職
・過剰給与
という形で損失が発生してしまいます。
実は、社員教育を行う目的の1つは、
このような『認識のギャップ』を無くし、
感覚を刷り合わせることなのです。
例えば、私たちの若手向け研修では必ず、
「あなたにかかる費用はいくらですか?」
という質問をしています。
すると決まって、
『給料』『制服代』『交通費』
などが挙がります。
そこで講師が質問をします。
「健康保険料はどうですか?
厚生年金はどうですかね?
オフィスの家賃はどうですか?
採用費や上司の時間はどうですか?」
すると受講者はハッとした顔をするわけです。
社長や経営幹部のような会社の人間が、このような質問をしたら、
どうしてもいやらしくなってしまいますが、
外部の人間から伝えるのであれば、
良い気づきを与えることができます。
実際、1990年代に導入された成果主義で、
成功した企業はごく一部だと言います。
給与、賞与、報酬を与える場合、もっと言えば、
働ける環境、成長できる環境を与える場合は、
それを受け止められるよう教育することも、
セットで提供しなければ意味がないということです。
御社では、社員が十分に感謝していますか?
『過剰報酬』『過少感謝』になっていたら、
社員の教育が必要な時かもしれませんね。